薬局などで販売されている市販薬(OTC医薬品)のうち、爪水虫(つめみずむし)に対して効能・効果が認められているものはありません(2023年8月時点)。適切な治療により健康な爪になるため、また、悪化や家族にうつすことを防ぐためにも、皮膚科を受診することが大切です。
【動画】爪水虫の治し方(市販薬と民間療法)
この動画では、爪水虫の「市販薬と民間療法」について簡単に説明しています。さらに詳しく知りたい方は、下に読み進めてください。
薬局などで買える市販薬(OTC医薬品)で治せるの?
爪水虫に対して効能・効果が認められているのは、医療機関で処方されるお薬だけです(2023年8月時点)。
薬局やインターネットなどで「水虫」の市販薬が販売されています。そのため、「わざわざ病院やクリニックなどの医療機関に行かなくても、市販薬で治せるのでは?」と思う方もいると思います。しかし、水虫の市販薬はすべて「足水虫(あしみずむし)」や体の水虫である「体部白癬(たいぶはくせん:いわゆる、たむし)」を治すお薬で、爪水虫の治療を目的とした市販薬はありません。爪水虫に対して効能・効果が認められているお薬は、医療機関でしか手に入らないので、自己判断で市販薬を使わず、皮膚科を受診するようにしましょう。
お薬を使わずに治せるの?
民間療法は、爪水虫に効果があるかどうか検証されていないものがあるため、医療機関での治療がすすめられます。
爪水虫の治療方法をインターネットなどで調べると、爪にお酢や漂白剤をぬる、お灸をするなど、さまざまな民間療法が出てきます。民間療法は、科学的な根拠に基づいた試験が行われておらず、爪水虫に効果があるかどうか検証されていません。体験談もありますが、本当に爪水虫だったのか、その民間療法以外にも何かを行っていたのかなど、不確かな情報が多いです。そのうえ、民間療法を行うことで、逆に症状の悪化や新たに別の困る症状があらわれる可能性もあります。
医療機関に行くメリットは?
正しく診断してもらい、適切なお薬を処方してもらえること
爪水虫は、見た目がよく似ている爪の病気があることから、経験を積んだ皮膚科の医師でも見た目だけで診断することは難しいとされています1)。そのため、患者さんご自身で判断するのではなく、医療機関を受診して検査してもらうことをおすすめします。
また、爪水虫は自然に治りにくい病気のため、放っておくと感染が広がってしまいます。皮膚科などの医療機関で適切に検査・診断をしてもらうことが正しい治療への第一歩です。
- 1) Tsunemi Y, et al. J Dermatol. 42(2); 221-222, 2015.