爪水虫(つめみずむし)は、足水虫(あしみずむし)と同じように「人にうつる」感染症です。お孫さんなどのご家族や同居者にうつさないためにも、皮膚科を受診して治療することが必要です。
どうやって人にうつるの?
水虫患者さんが素足で歩くことで、原因菌(白癬菌:はくせんきん)が床などにばらまかれ、それが他の人の足や爪に長い時間ついた状態が続くとうつります。
爪水虫の原因となる白癬菌は、爪水虫や足水虫の方の皮膚や爪に潜んでおり、皮膚や爪がはがれ落ちることで他の人にうつります1,2)。
はがれ落ちた皮膚や爪は、バスマット、スリッパ、絨毯、床などを介して、足や爪につきます。白癬菌がついた状態で、足が湿った状態のまま靴下を履く、通気性の悪い靴を履くなどして、長い時間白癬菌がついたままでいると感染するといわれています。さらに、足に傷がある場合などでは、感染しやすくなると考えられています2)。
水虫の感染経路1)
人にうつさない方法は?
医療機関できちんと治療をすることが大切です。
爪水虫を人にうつさないための1番の方法は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることです。
医療機関で正しい診断を受けて、爪水虫であれば白癬菌を殺したり、増えるのを抑えたりする爪水虫の治療薬で治療をしましょう。また、爪水虫は足水虫を繰り返す原因の一つとされています。爪水虫を治療せずに足水虫だけ治療をしても、爪にいる白癬菌が足にうつるため、足水虫が再発してしまう可能性があります。人にうつさないためにも、足水虫と爪水虫は一緒に治療をしましょう。
治療以外に一緒に暮らす方への配慮としては、部屋をこまめに掃除する、バスマットやスリッパなどは共有しない、などがあります。治療にあわせて行うことで、ご自身の再発を防ぐこともできるので、清潔な生活環境を保つように心がけましょう。
- 1) 加藤 卓郎. Jpn J Med Mycol. 47(2); 63-67, 2006.
- 2) 井出 真弓ほか. Jpn J Med Mycol. 40(2); 93-97, 1999.