爪水虫の治療はどんな流れ?

監修: 埼玉医科大学 皮膚科 教授 常深 祐一郎 先生

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爪水虫(つめみずむし)を疑い医療機関を受診すると、初めに検査が行われ、爪水虫かどうかが確認されます。爪水虫と診断されたときは、治療方針を決めて治療を開始します。その後は、治療方針にもよりますが、1ヵ月に1回程度の頻度で受診して経過観察し、医師に治ったといわれて初めて治療が終了します。治療開始から終了までは、一般的に約1年~1年半といわれています。

受診前

爪は皮膚の一部です。爪の変色や変形があるときは、皮膚科を受診して、診察してもらいましょう。

皮膚科医は毎日のように爪水虫を診察しているので、恥ずかしいと思う必要はありません。言いにくい場合は、【爪水虫のセルフチェック】を印刷して皮膚科医に見せてください。

初診

初めての診察で医師が爪水虫を疑った場合は、診断するために検査を行います。検査結果は10分~15分程度でわかり、痛みを伴うことはほとんどありません。
検査は、症状のある爪の一部を爪切りなどで削り取り、顕微鏡で観察します。爪水虫の原因菌である白癬菌(はくせんきん:いわゆる水虫菌)が見つかった場合は、爪水虫と診断されます。

*爪から採取した一部を培養(人工的な環境で菌を育てること)することもあります。

治療方針の決定

爪水虫と診断されたら、治療薬を選択します。治療薬には「のみ薬」と「ぬり薬」があり、「のみ薬」による治療が原則とされています1)。爪水虫の状態や患者さんの状況などを考慮して医師がお薬を選択します。

治療中

治療中は1ヵ月に1回程度通院することで、治療経過を確認することができます。診察は爪の状態や副作用、お薬の使用状況の確認などが行われます。
治療が終了するには、変色、変形した爪が健康な爪に生え変わる必要があります。個人差はありますが、爪が生え変わる期間として手の爪では半年~1年、足の爪では1年~1年半かかるといわれています2)

<治療中の注意>
治療は自己判断でやめずに、医師から指示があるまで続けましょう。爪の見た目がきれいになり治ったと思っても、白癬菌が爪に残っていることがあります。再発させないためにも、最後まで治療を受けましょう。

治療後

爪水虫の治療を行うことで、新しい生活を送ることができるかもしれません。まずは医療機関を受診して、爪を気にしないですむ生活を目指しましょう。

爪を気にしないですむ生活 イラスト

  • 1) 望月 隆ほか. 日皮会誌. 129(13); 2639-2673, 2019.
  • 2) 東 禹彦. 爪‐基礎から臨床まで‐改訂第2版, p17, 金原出版, 2016.

爪水虫かチェックしてみましょう

爪水虫のセルフチェック

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