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ニュースリリース

平成21年1月

遺伝子組換え甲状腺癌診断補助剤
「タイロゲン筋注用0.9mg」新発売のお知らせ

 佐藤製薬株式会社(本社:東京都港区、社長:佐藤誠一、以下佐藤製薬)は、遺伝子組換え甲状腺癌診断補助剤「タイロゲン筋注用0.9mg」(以下本製品)を2009年1月13日に新発売いたします。

 本製品はジェンザイム社(米国)が開発した遺伝子組換えヒト型甲状腺刺激ホルモン(ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え))の筋注用凍結乾燥製剤です。佐藤製薬は1995年にジェンザイム社(米国)から本邦における販売権を取得し、1996年に希少疾病用医薬品の指定を受け、2008年10月16日付けで製造販売承認を受けました。(海外51カ国で承認済み:2008年6月26日現在)。

 分化型甲状腺癌で甲状腺全摘又は準全摘を受けた患者様は、残存甲状腺組織または転移癌の有無を確認する為に、年に1〜2回の定期的な検査を行います。検査では甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を高める必要がありますので、現在はその検査の度に患者様は甲状腺ホルモン剤の服用を2週間以上中断しなければなりませんでした。その為、その間、寒気、便秘、体重増加などの甲状腺機能低下症状を引き起こし、また診断後の回復にも数週間を要し患者様にとっては大変な苦痛となっていました。今般、甲状腺癌診断補助剤としてタイロゲンを使用することで甲状腺ホルモン剤の服用を中断する必要がないため、患者様はQOLを低下させずに診断を受けることが可能になりました。

 佐藤製薬では、医療用医薬品事業において、ざ瘡治療剤「ダラシンTゲル」、角化性・乾燥性皮膚疾患治療薬「パスタロン」、外用合成副腎皮質ホルモン剤「テクスメテン軟膏・クリーム」、活性型ビタミンD3尋常性乾癬治療剤「ボンアルファハイ軟膏、ハイローション」などの皮膚科領域を中心に事業を展開しています。

 2007年11月には、広域駆虫剤「コンバントリン」の製造販売承認を取得し、さらに2008年2月には創傷・熱傷治療用高度管理医療機器「デブリサンペースト」を発売するなど、新たな領域での展開を積極的に行っています。今回、「タイロゲン筋注用0.9mg」を発売することで、幅広い医療現場のニーズに応えられるよう、医療用医薬品の製品ラインナップの充実を図ってまいります。

用語解説

甲状腺癌について

甲状腺癌は甲状腺に生ずる悪性腫瘍で、本邦では1年間に8,000名程度の発症が見られる、女性に多い疾患です。甲状腺癌は分化型の乳頭癌、濾胞癌と未分化癌および髄様癌に分類されますが、そのうちの90%以上が分化型癌(乳頭癌、濾胞癌)であるとされています。分化型癌の治療として外科切除が多くの患者様に行われます。そのうち今回のタイロゲン筋注用0.9mgの適応となる甲状腺全摘術(甲状腺を全部切除する)又は準全摘術(甲状腺をわずかに残しほとんど切除する)は本邦では欧米に比べ少数といわれています。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)について

脳下垂体より分泌されるホルモンで、αとβの二つのサブユニットからなる糖タンパク質です。甲状腺を刺激し、ヨウ素を取り込み、甲状腺ホルモンの分泌、サイログロブリン (Tg:甲状腺ホルモンの前駆物質)の生成を促します。
(甲状腺ホルモンの主な作用は細胞代謝(新陳代謝)を活発にし、また神経系の成長分化を促進することです。)

佐藤製薬について

1915年に創業した佐藤製薬は、人々の健康を身近な場所で支えるOTC医薬品の大切さに早くから着目し、OTC医薬品の開発を推進しています。OTC医薬品は、ミニドリンク剤「ユンケル黄帝液」シリーズ、かぜ薬「ストナ」シリーズ、歯科口腔用剤「アセス」を主力3ブランドとし、医療用医薬品事業においては、ざ瘡治療剤「ダラシンTゲル」をはじめとする皮膚科領域を中心に事業を展開しています。

ジェンザイム社(米国)について

Genzyme Corporation(本社:米国マサチューセッツ州)は、難病患者の生活の質(QOL)を改善することを使命とする世界有数のバイオテクノロジー企業です。1981年に設立され、現在では従業員10,000人、売上高38億ドル(2007年度)を超えるグローバル企業に成長しました。また、2007年には、アメリカ合衆国大統領より革新的な技術開発に対して贈られる最高の栄誉であるアメリカ国家技術賞(The National Medal of Technology)を受賞しました。 遺伝性希少疾患、腎臓疾患、整形外科、癌、移植、診断薬・検査を主要領域とし、免疫疾患、感染症などのアンメット・メディカル・ニーズ(医療ニーズが満たされていない領域)の分野において革新的な治療法の開発に取り組み続けています。

「タイロゲン筋注用0.9mg」製品概要

商品名タイロゲン筋注用0.9mg
一般名ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)
製品特性本製品を使用する事により、甲状腺ホルモン補充療法を中断せずに甲状腺癌の診断が可能となります。
規制区分生物由来製品 指定医薬品 処方せん医薬品
組成1バイアルを日局注射用水1.2mLで溶解した時の1.0mL中に有効成分 ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)を0.9mg含有する。
効能・効果

分化型甲状腺癌で甲状腺全摘又は準全摘術を施行された患者における、放射性ヨウ素シンチグラフィーと血清サイログロブリン(Tg)試験の併用又はTg試験単独による診断の補助。

<効能・効果に関連する使用上の注意>

本剤は甲状腺全摘又は準全摘術を施行された患者以外の患者には有効性及び安全性は確立していないのでそれらの患者には投与しないこと。

用法・用量

本品1バイアルに日局注射用水1.2mLを加えて溶解し、その1mL(ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)として0.9mg)を臀部筋肉内に24時間間隔で2回投与する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

放射性ヨウ素の投与は、本剤最終投与24時間後とする。スキャニングは、放射性ヨウ素投与48時間〜72時間後に行う。Tg試験を実施する時の血清検体の採取は、本剤最終投与72時間後とする。

包装タイロゲン筋注用0.9mg:2バイアル